さすがアメリカ。講師の研修では、イチからレッスンの仕方なんて教えてくれない。
先輩のレッスンを見学して「見て覚えなさい。」の世界。
そして見学と独習の後、ほんの数時間で「今日から先生」となる。
レッスンのコツなんて、まるで教えてくれない。
本当に「見て盗む」以外に何も頼るものがない。難しい!
不幸中の幸いだったのは、大学時代に塾の講師経験があったこと。当時、1ヶ月の厳しい研修を受けていたので、教えている姿や教えるポイントなどは、それらしく、又それなりに押さえてレッスンをしていたつもり。
そんなこんなで、レッスンはなんとかイケていた。
・・・発音の上達は??・・・クエスチョンマークのまま時は過ぎていったのでした。
先が不安だああああ。
ロスのハミングバードでは、日本人が4,5時間位までのレッスンのみ(口の形、アルファベットなどの比較的容易な個所)を受け持ち、その後はネイティブ講師が担当する形だった。
私が新人講師になって1ヶ月ぐらい経ったくらいだっただろうか、5時間受講後ネイティブクラスに行った生徒さんが2時間後に、また私のレッスンに戻ってきたことがあった。日本人に習ったほうが分かりやすいというのだ。
理由はどうであれ、初めての指名は嬉しかった。
だが、それからもっと必死にならなければいけなくなった。
責任重大だ。その生徒さんを「どうしても上達させなければ」と無我夢中。
結局、その生徒さんの駐在期間が終わるまでの期間、36時間近くの全てのレッスンを担当することになった。
これを機に、ロスのハミングバードでは4、5時間目までのレッスンだけでなく、それ以降も日本人が教えてもいいことになったのだった。
その時私は、ネイティブ講師から習うより、実際に苦労した日本人から、日本語で習ったほうが、発音は上達するものだということを確信。
つまり「なんでできないのか。どうすればできるのか。」を明確に指導できるのは日本人講師だということなのです。