通訳学校で出会ったT先生は、バリバリ通訳で活躍し、機敏で何でもできるタイプ。反対にI先生はコツコツ努力するタイプの先生でした通訳の学校に通ってはいたものの、カタカナ英語から脱出できず、また通訳も上手にできず、スランプの連続でした。そんなとき I先生が「オオバさん、ちょっと」と声をかけてくれました。「これ、使わなくなったからあげます。これでシャドーイングの練習をして、発音を真似したらいいよ」、とカセットレコーダーをくれました。
そして、I先生は、「私も発音の練習をしているんだけど」、とテキストを見せてくれました。
「通訳していても発音下手な人は、たくさんいるんだから」、と励ましてくれました。
「発音なんて別に通じているからいいや、通訳になるわけでもないし」とその時にあきらめていれば今の私は違った人生を送ったと思います。
I先生がその時に背中を押してくれたので、一番嫌いな発音を勉強しに、発音矯正学校へ通う決心をしました。
そして、それからの私の人生は変わりました。
*それから何年も後、I先生は、日本に帰国する時に、ハミング発音スクールの生徒さんになってくださって、なんと私の発音授業を受けてくださいました。
でも、長くは続きませんでした。
あれ?連絡つかないな?って思ってたら、通訳学校の事務局の方がわざわざ、突然お星様になったって。
I先生が私にって残してくださった1枚のハガキ。
美しい緑の中に飛んでいる 鳥の絵でした。
幸せを運ぶって意味がある「ハミングバード」って鳥でした。
涙が止まらず、真っ赤な鼻でレッスンにはいったあの日。