T先生と対照的なI先生。I先生もアメリカ、日本で活躍中の通訳の先生でした。I先生は、生徒のいいところを見つけて、ほめて伸ばすタイプの先生でした。いつも、にこにこしている先生でした。すごいな、と思ったのは、通訳の先生も長いのに、授業に臨む前にしっかり予習をしていることでした。
テキストに書いてあることだけが授業ではありませんでした。
テキスト以外の知識をたくさん教えてくれるI先生でした。
「先生だって予習するのは当たり前よ」と思うかもしれませんが、違うんですよね。
教えることに慣れてくれば予習もせず行き当たりばったりの授業でやっていけるようになります。
私の嫌いなT先生は、まさにそうでした。
授業中に始めて教材の音源を聞いているんだな、と落ちこぼれの私でもわかりました。
通訳学校のT先生の教える姿勢に対して反感をもち、厳しい目でみていたのは、塾で講師をしていた経験があったからです。
大学生の時、時給のよさに惹かれた塾の講師。当たってくだけろで応募しました。
当時、難関といわれる塾の面接試験に合格したバイトの講師は10人。
ラッキーにもその中の一人になりました。
教える経験は初めての私はおどおどで、「何故私が合格したの?」と場違いに思えるような存在でした。
他のバイト生はかなり慣れた感じ。その中の一人で、先生慣れし、堂々と授業をしていた人がいました。
彼は予習、準備はやらずに、何でもどーんとこいタイプでした。
成績がいい人だし、中学生の内容だから予習をしなくてもやっていけたのでしょう。
そんな器用な先生とはうってかわって私は・・・。中学1年生の授業でも、入念に準備をし、自分なりに教案を書いての作業が欠かせません。
自信のない社会、数学を教えるときは大変です。
バイト代は、参考書代に変身!その準備なしでは、自信をもって教室に、入ることはできませんでした。